かかりやすい病気

妊娠中にかかることがある病気

症例としてはそれほど多くはありませんが、妊娠中にかかりやすくなる病気がいくつかあります。
手足口病、溶連菌感染症、膀胱炎といった病気は通常健康な成人の体では起こることは少ないのですが、妊娠中に罹患してしまったことでかなり大変な目にあったという人もいます。

これらの病気はどちらかというと子供が罹患することが多い病気で、妊娠期間中に産婦人科など子供が多くいる場所に何度も足を運んでいるうちに感染源をもらってしまうということがあるようです。

まず「手足口病」ですがこれはコクサッキーA型やエンテロウイルスに感染することで起こる病気です。
流行は夏場によく起こり、全体のうち30~60%の人に発熱症状が出ます。

病名にもなっているように罹患をすると手・足・頬の内側に3~7mmの水疱や丘疹ができ、感染してから治癒するまでだいたい3日~1週間程度かかります。

感染源であるウイルスは飛沫感染や接触感染によって拡大するため、ウイルスを保有している人と同じタオルを使ったり、くしゃみや咳を受けるとそこから感染します。

予防接種などで防ぐことはできませんので、できるだけ感染しやすい場所を避け、粘膜からウイルスが感染しないようにマスクなどで予防をしていきましょう。

菌を保有していると出産時に感染することも

「溶連菌感染症」もまた子供に多く、妊婦が感染することのある病気の一つです。
感染源は溶血性連鎖球菌(溶連菌)という細菌で、3才~学童期までの子供が最も多く罹患します。

古くは「猩紅熱(しょうこうねつ)」と言われてきた恐ろしい病気でしたが、現在は抗生物質を投与することで比較的簡単に治るようになりました。

主な症状は喉の痛みと38~39度くらいの高熱、さらにかゆみのある発疹が全身に出てきます。
舌がイチゴのように真っ赤になり、目の周りが白く縁取られたように見えるということも溶連菌感染症の特徴です。

溶連菌の中にもA型・B型というものがあり、B型にかかった場合は尿路感染症に病気が進行してしまうこともあります。
尿道に感染が拡大すると、出産時にそこを通る赤ちゃんに感染が拡大してしまうこともあります。

妊娠初期に起こりやすいのが尿道の病気です。
「膀胱炎」は妊娠中の免疫が低下した体によく起こり、子宮が大きくなることで膀胱が圧迫されてしまうことが原因です。

ひどくなってくると尿道から出血が起こるということもよくあります。
ごく少量の血液が1回だけあったという時はそれほど心配ないのですが、出血が止まらなくなったり腹痛を伴う場合には早めにかかりつけの産婦人科に相談をしてみた方がよいでしょう。

出血は膀胱だけでなく膣や肛門からも起こるので、出血したときにはどういった感じでどこから起こっているか冷静に調べてみてください。