妊娠中に影響が出やすい感染症の数々
妊娠中の健康管理において感染症予防は非常に重要です。
毎年冬場になると同じような病気が流行しますが、妊娠していない時に罹患してもかなり大変な目にあってしまうのに、妊娠中ともなるとお腹の赤ちゃんにも影響が出てきてしまいます。
中でも注意が必要なものとして風疹、麻疹、伝染性紅斑、インフルエンザあたりが挙げられます。
妊娠中にこれらの感染力の強い病気にかかってしまうと、赤ちゃんの体に異常が生じる原因になり先天的な病気を抱えてしまう可能性が高まります。
まず「風疹」ですが、これは風疹ウイルスが体に入り込むことによって起こります。
風疹にかかるとまず体全体に赤い発疹が出てきます。
通常の風疹は罹患しても3日ほど安静にしていれば自然に治癒するため、通称「三日ばしか」と言われることもあります。
しかし妊娠中の16週ころまでに罹患をしてしまうと、赤ちゃんが白内障や心疾患、難聴といった症状が出やすくなってしまいます。
こうした症状を「先天性風疹症候群」といい、特に妊娠4~8週の頃に感染をした場合には80%と高い確率で起こってしまいます。
風疹と並んで怖い感染症が「はしか(麻疹)」です。
こちらも麻疹ウイルスが体に入ることで起こる病気で、数日間高熱が出るとともに全身に赤い発疹が発生します。
妊娠中でなくとも大人になってから麻疹に罹患すると重症化することがよくあり、妊婦の場合流産や早産のリスクが高まります。
この2つは幼少期に罹患していれば免疫が出来ているので重症化をしにくくなります。
今後結婚して妊娠の可能性がある人は早めに予防接種を受けておくことをおすすめします。
他にも注意すべき流感があります
風疹や麻疹ほど重篤化することはないものの、妊婦が注意しなければいけない感染症がいくつかあります。
「りんご病(伝染性紅斑)」などもそれで、パルボウイルスという感染源によって起こります。
伝染性紅斑になると頬がりんごのように真っ赤になり、手足に網目状の紅斑が出てきます。
妊娠中に感染をした場合にはお腹の赤ちゃんにむくみが出る「胎児水腫」が起こりやすくなります。
胎児水腫が起こると早産や流産リスクが高まってしまいますので、予防接種などを事前に受けておくとともに、流行している時期にはあまり人多いところには行かないようにしましょう。
毎年流行する最も凶悪な感染症といえば何と言っても「インフルエンザ」です。
インフルエンザの面倒なところは毎年流行するウイルスの型が異なるという点です。
罹患をした場合には病院で早めに治癒するための薬を受け取りますが、妊娠中の体に悪影響を与えないために通常の人と異なる種類の薬を選ぶことになります。